ヴェネツィアの有名な「レデントーレ祭り」

14 July 2021

「レデントーレ」という祭りはヴェネツィア人にとって一番大事なものです。

この祭りの由来は1577年です。わずか2年間にひどい疫病のせいでヴェネツィアの人口の3分の1以上、すなわち5万人が死亡しました。その疫病の終息への感謝のしるしとして、この祭りを行います。

疫病流行中の1576年9月4日、ヴェネツィアの上院議会は永遠に街を疫病から解放するための誓いと祈りとして、ジュデッカ島にあったフランシスコ修道院の近くに、新しい大規模な教会の建設を決定しました。その教会の建設は当時の偉大な建築家の一人であったアンドレア・パラーディオに託され、救世主のキリスト(イタリア語でキリスト・レデントーレ)に捧げられました。1592年にアンドレア・パラーディオはレデントーレ大聖堂を設計し、現在もジュデッカ島に建っています。

初めてこの祭りが行なわれた1577年から現在まで、毎年7月の第3土曜日に、ザッテレ地区(ヴェネツィア本島)とジュデッカ島を繋げる仮設の橋が架けられ、土曜日の間は参拝者はレデントーレ大聖堂に徒歩でも行くことができます。過去には、この仮設の橋は、いくつもの船を並べてつくられていましたが、現在は木製の柱を組み立てたものが使われています。

その他、宗教的な面とともに、レデントーレ祭りの伝統的な面もあります。すなわち、ヴェネツィア人は土曜日の夜、デコレーションをした船で伝統的な料理を食べながら、サン・マルコ湾に打ちあげられる華麗な花火を楽しみます。ヴェネツィア建国から1600周年の今年は、花火もその記念をテーマとし、色だけでなく、花火の形も特別なもになります。

今回はコロナウイルスで厳重な制限がありますが、5世紀間も、この祭りの過ごし方はそのまま変わらずに続いています。

日曜日はレデントーレのレガッタのための日です。レデントーレの翌週の日曜日の午後にジュデッカ側の運河で、ゴンドラも含むヴェネツィアの伝統的なボートが競技を行い、多くのチャンピオンが参加します。