「陸の国家」と「海の国家」を繋げるスポーツの大会
2021年10月15日、ヴェネツィアー ヴェネツィアの歴史が始まったと考えられているのは、伝統的に3月25日です。そして、2021年の3月25日に「ヴェネツィア1600」というプロジェクトが生まれました。
ルイジ・ブルニャーロ市長のアイディアに基づき、この一年間のヴェネツィア市役所の目標は、ヴェネツィア共和国「セレニッシマ」の歴史を語ることになりました。そのため、ヴェネツィア共和国の一部であったロンバルディア州にあるベルガモ、キプロス島、アジアやと地中海地域とも連携することになっています。
2022年3月21日までに、かつてヴェネツィア共和国内にあった都市で何百ものイベントが開催される予定です。ヴェネツィアの歴史というのは、過去だけでなく、現在のことも意味しています。実際に、現在のことに関して言えば、ヴェニス・マラソン大会というイベントがあります。これは35年前から毎年、人々から待ち望まれているイベントなのです。
ストラ(ベネト州の本土の町)から、リーヴァ・デイ・セッテ・マルティーリ(ヴェネツィア本島)まで、芸術的遺産の豊富なヴェネトのヴィラ(別荘)に沿って、選手たちは走ります。そして、リベルタ橋(ポンテ・デラ・リベルタ)でヴェネツィアと繋がる本土の街、マルコンテンタ、マルゲラ、メストレも選手たちは通過します。つまり、ヴェニスマラソン大会は「陸の国家」と「海の国家」を繋げているのです。
『クロニコン・アルティナーテ』という作品や、より最近のマリン・サヌードによる作品にも書かれているように、ヴェネツィアの誕生は現在のリアルトに、この都市最初の教会であるサン・ジャコメット教会が建設された421年に遡ります。特に、作家のマリン・サヌ―ドの日記の中には、リアルト大火災の出来事が記されており、その火災の後「年代記で書かれたように、421年3月25日に建設されたヴェネツィアで最も古いリアルトのサン・ジャコメット教会しか残っていません」と記録されています。
ヴェネツィアはヨーロッパの中で、非常に重要な国家で、1200年から拡大しはじめ、経済的に強く豊かな国となり、東西の架け橋の役割を果たすようになりました。豊かな貿易と経済的、文化的、美術的な発展により1500年には、ヴェネツィアは黄金時代を迎え、地中海のもっとも強い国家のひとつとなりました。
「ヴェネツィア1600」というプロジェクトは、このために生まれました。すなわち、ヴェネツィア共和国の「セレニッシマ」とのゆかりのあるこの場所で、この一年間に行われる展覧会、コンベンション、コンサート、ショー、イベントなどを通して、そのゆかりを思い出すこと、そしてヴェネツィアの生誕を祝うために生まれたのです。