イタリアに旭日中綬章はヴェネツィア・カフォスカリ大学のボナヴェントゥーラ・ルペルティ教授に贈られました。

23 August 2021

2020年429日、日本政府は令和23年春の外国人叙勲を発表しました。イタリアの「旭日中綬章」はボナヴェントゥーラ・ルペルティ教授に贈られました。

ボナヴェントゥーラ・ルペルティ教授はヴェネツィア・カフォスカリ大学のアジア北アフリカ研究学部の教授です。日本政府が旭日中綬章をルペルティ教授に贈った理由は、伊日関係の強化や学術交流の促進への貢献です。

2020年にルペルティ教授の表彰が決まっていましたが、新型コロナウイルス流行のため、式典は延期されていました。そして、授与式は2021年7月14日に行われ、ヴェネツィア・カフォスカリ大学国際関係学部のファブリツィオ・マッレッラ副学長在ミラノ日本国総領事館雨宮雄治総領事も出席しました。雨宮総領事は、ついに式典を行うことができたことを喜ばしいと述べ、海外で特に日本文化の普及に関する功績を持つ市民に旭日中綬章をを贈ることの重要性を強調しました。

ルペルティ教授は1992年に東洋学の博士号を卒業した後、30年間にわたってヴェネツィアカ・フォスカリ大学で研究・教育に従事し、2000年からはカフォスカリ大学アジア北アフリカ研究学部の正教授となりました。長年にわたり、日本の文学や伝統演劇に関する研究を通して、イタリアにおける日本理解の促進に貢献しています。また、日本の演劇、舞台芸術の研究のため、早稲田大学の演劇博物館(2007年)、東京の国文学研究資料館(2004-5年)、京都の国際日本文化研究センター(日文研)(2015-16年)で研究し、早稲田大学、法政大学(能楽研)、立命館大学、神戸大学などで客員研究員や客員教授などとして日本に滞在しました。

ルペルティ教授は様々なイベントやプロジェクトにより、日本の伝統演劇の普及促進に情熱をかけ、尽力してきました。実際に多くの公演の企画・制作に携わってきました。例えば、2010年と2013年にローマで開催された「歌舞伎公演」と「杉本文楽公演」、2016年に日本イタリア国交150周年記念としてローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ヴィチェンツァで開催された「能楽公演ツアー」、そして2017年に日本バチカン外交樹立 75 周年記念として開催された「能楽公演」のの企画運営、紹介、字幕の翻訳を担当してきました。

さらに、2019年にボローニャとヴェネツィアで開催された天津流日本舞踊の舞台公演やワークショップにも関わっていました。その他、ルペルティ教授は能楽や浄瑠璃といった日本の伝統演劇の研究者として、日本文化理解への功績が認められています。